オーフス市内に住むソーレンさんのグループホームを訪れました。ソーレンさんはオーフス制度を利用して、気の合う3人の仲間が集まってヘルパーを雇い共同者生活しています。このような形態のグループホームは、デンマーク中でもあまり多くないそうです。というのも、気の合う人を探して共同生活をするより、1人暮らしをすることも可能だからです。昨日、学校に遊びに来たヒロナリさんもスペシャルゲストととして、そのまま私たちに同行してくれました。今回もゆたかの通訳でソーレンさんから話を聞きました。
ソーレンさんは、桟橋から飛び込んだ際、脊椎を損傷し車椅子の生活を送ることになったそうです。ここに暮らして12年になり、脊椎損傷のエスバンさんと脳性麻痺のポールさんの3人で共同生活を過ごしています。ソーレンさんは、ゆたかが代表をしているDSSAの理事をしているほか、ポリオや交通事故などの中途障害者の団体の理事などもしています。また、残りの2人のうち1人は、昼間アクティビティセンターで働き、もう1人は、高齢者のための学校へ行っているとのことで、みんなとても活動的です。
グループホームは、民家(個人が作った家)を借りて住んでいます。1つの大きな家に3人が共同生活をしていると考えるとイメージしやすいと思います。ですので、グループホームというよりも家と考えて頂いた方がいいかもしれません。玄関を入るとすぐに広いキッチンとリビングルームがあり、ヘルパーの人たちとソーレンさんが出迎えてくれました。彼の部屋は、2間続きで明るく広い印象を受けました。また、書棚に本がたくさん整然と置かれ、装飾品や絵なども素敵でセンスの良さを感じました。
年金は、最高額の1,3000Krを月に受取っていて、家賃は月に5,000Kr支払(内3,500Kr家賃分として受取)っているので、自己負担は1,500kr。その他、食費や庭の手入れなど共同の家計に1人1,000Krのお金を出しているそうです。ヘルパーの解雇は自分たちで決めて、3人で1日43時間雇えることになっているので、6人の常勤と7人の非常勤を雇っているとのこと。ヘルパーを雇う時は、面接をして決めるそうです。
勤務体制は、以下の通りです。
常勤の場合
4人:朝8時〜翌朝9時のローテーション勤務
1人:月ー水の準夜勤
1人:日勤(月ー水:8時〜16時、木:8時〜0時) |
非常勤の場合
常勤以外の時間帯
常勤の人が休暇の時 |
常勤の人の給料は月1,6000Krで、それぞれ出身地の市がオーフス市を通して、直接ヘルパーに支払われる仕組みになっているそうです。
3人で1台車を所有していて、障害者は購入する時に税金が免除されるので、一般に購入するよりも半額ぐらいで買えるとのことです。また、他の人が使って自分が使えない時は、オーフス市のバスサービスがあるので、電話を入れればドアtoドアで目的の場所まで行くことができます。つまり外出するのに不自由がなく過ごせるようになっています。
ヘルパーを呼ぶ呼び出し装置や、インターフォンもベッドから手の届きやすい場所にありました。ベッドは上下に動き、天井リフトを使ってシャワーやトイレまでも力を使わずに移動できます。もちろん補助機具は無料です。トイレ&バスルームは車椅子で回転しやすいように四角形でなく、多角形になっていました。 |